ツバキ(椿)は地植えでも鉢植えでも育てられる人気の樹木です。
切り花や茶席での花としても親しまれていますね。
今回はツバキの特徴、剪定時期・方法、育て方のポイント、育ててみた感想を紹介します。
ツバキの特徴
ツバキは、日本原産のツバキ科の常緑樹で朝鮮半島や台湾にも分布しています。
学名は日本にちなんで「カメリア・ジャポニカ」といいます。
美しい花とツヤのある濃い緑色の葉が特徴ですね。
古くから親しまれてきた植物で「日本書紀」にも登場します。
昔は公郷・僧侶など位の高い人しか手にすることが出来ず普通の人は見ることさえ出来ないものでした。
樹高:5~20m
花色:赤、ピンク、白、複色、混色
開花時期:1~4月、11~12月
ツバキは品種により咲く時期が大きく異なります。
早秋咲き品種から晩春咲き品種を合わせると四季を通して楽しめる花木といえるでしょう。
代表的な品種
ツバキの仲間にはヤブツバキ・ユキツバキ・サザンカなど日本に自生しているものや西洋で改良された西洋ツバキといわれるものなど数百以上の品種があります。
一重咲き。
花色は白、ピンク、紺、パープルなど。他の椿と比べて花と葉が小さいです。
茶人千利休のお付きだった「侘助」が利休のために育てた椿といわれています。
淡いピンクの八重咲き品種。
全体に大小の白い斑入り。八重咲きです。
ツバキの剪定時期と方法
樹形が乱れることはあまりありません。
自然樹形を維持するような剪定を心掛けるとよいでしょう。
適期は花が終わる3月~4月と9月下旬~11月がです。
春の剪定は、刈り込み剪定でも枝抜き剪定でも構いません。
花芽は春に伸びた枝の先に6月頃に作られます。
7月以後に剪定をすると翌年は花が咲かなくなってしまうので気をつけてください。
9月下旬~11月の剪定は花芽の有無を確認しながら行いましょう。
剪定方法
強い剪定をしないで放任して育てたほうが花がよく咲きます。
無駄枝を間引く程度で風通しと日当たりを良くする剪定にします。
枝と枝が交差して絡み合ったように見える枝のことを絡み枝といいます。
ツバキは、この絡み枝が出やすいのですが、切りすぎないように注意しましょう。
たくさん絡み枝がある場合は一度には切らないで3~4年掛けて切っていきます。
頂点も切り戻してあげると高さを抑えることができます。
ツバキの育て方
暑さ寒さに強く育てやすい庭木です。
日当たりと風通しの良い場所を好みますが、明るい日陰でも良く育ちます。
鉢植えは年間を通じて明るい日陰で育てます。
水やり
庭植えの場合は乾燥が続くようだったら与えます。
鉢植えの場合は、鉢土の表面が乾いてから与えます。多湿に弱いので用土を乾かし気味にします。
肥料
1月ごろに寒肥として鶏糞を与えます。
開花後にお礼肥えとして油粕と化成肥料を2握り程度与えます。
害虫
害虫にはチャドクガ、チャノミドリヒメヨコバイがいます。
毛が体につくとかぶれて、かゆみが2週間ぐらい続きます。
5月から9月くらいが多いので、先手を打って4月頃から定期的に殺虫剤の散布をすれば、ほぼ防げるでしょう。
ツバキを庭植えで育ててみた感想
※5月14日撮影(花が咲き終わるころに新芽が伸びてきます)
樹齢10年以上のツバキが2本庭にあります。
1本は、日当たりのよい場所に植えてあり、毎年たくさんの花を咲かせます。
もう1本は、日陰の場所に植えてあり、何年(十数年?)も花を咲かせたことがありません。
その1本が2017年5月上旬に咲きました。
日当たりのよいほうに比べると花の数は段違いに少ないですが、それでも10~20くらいはあるでしょうか。
改めて、じっくり花を見てみたら八重咲きだということに始めて気が付きました。
日当たりのよいほうのツバキの花は一重咲きです。
ツバキは、私が庭の手入れを担当する前から植えられていた木です。
長い間、この2本のツバキは同じ品種の木なのだと思っていただけにちょっとビックリ。
葉だけ見ると、全く同じに見えるので気づきませんでした。
基本的に、丈夫で特に手入れをする必要がありません。
ただ、放っておくと枝が込み合って風通しが悪くなるので剪定だけは行っています。
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