菊の摘芯作業について【意味・効果・やり方・適期・回数】

6月の二度咲き菊

菊に「摘芯」という作業が必要と知ったのは自己流で育てるようになってから5年以上も経ってからのことでした。

どうして、摘芯をしないといけないのでしょうか?

摘芯の意味と効果、やり方、適期について調べたことをまとめました。

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菊の摘芯【意味と効果、やり方】

菊の摘芯

読み方は「てきしん」。

生育中の芽の先端を摘み取る作業のこと。「ピンチ」ともいいます。

【効果】
・脇芽が伸びてたくさんの花を咲かせることができる
・草丈を低く抑えることができる

花数が増える

植物は茎や枝の先端の芽が下に位置する脇芽に優先して成長しようという性質をもっています。

これは、先端の芽にある成長点でつくられるオーキシンという物質が脇芽の成長を抑えるため。

※成長点とは植物が勢いよく成長をする部分のこと。

先端の芽を切ってしまうと成長点がなくなるため、それ以上、成長することはできません。

植物は脇芽にエネルギーを注いでなんとか成長しようとします。

脇芽が伸びて枝数が増えるので、たくさんの花を咲かせることができるというわけです。

草丈を低く抑える

摘芯時期を遅くすると開花までの成長期間が短くなるので草丈を低くできます。

遅くなると花が咲くのが遅れたり、咲かないことがあります。

開花の2ヶ月前には摘芯を終わらせましょう。

菊の摘芯の適期と回数

菊の摘芯

摘芯の時期と回数は、種類や開花期、栽培地域によって変わります。

【時期の目安】
・5~6月咲き:摘芯しない
・7月咲き:4月上旬
・8月咲き:5月上旬
・9月咲き:6月上旬
・10月咲き:6月下旬
・11月咲き:7月中旬

【回数】
開花期にあわせて摘芯をするので回数は1回、あるいは2回。

1回目は植え付け後、およそ2週間経った頃。

葉が7~8枚で草丈10cmくらいのときに最先端の芽を5㎜か1cmの長さで摘み取ります。

2回目は伸びてきた脇芽(枝)に5枚ほど葉がついた頃。

ただし、植え付けから開花時期までの期間が長い場合は3回必要かもしれません。

【例】10月咲きの苗を4月に植え付けした場合など

開花の2ヶ月前には終わらせて1株当たりの枝が3~4本になるようにします。

はじめての摘芯作業【2014年 栽培記録】

黄色のスプレー菊
※育てているところ:東北地方北部
※品種:8月咲きスプレー菊

冬至芽の植え付け/5月中旬

菊の冬至芽
2013年は生育不良で大きく育ちませんでした。

原因不明。

冬至芽が小さいうちに植え付けたのが影響したのかもしれません。

今年は、5cmくらいに成長するまで待ってから植え付け。

植え付け時期や摘芯時期について書かれているものは関東地方が基準。

寒冷地とはズレがあります。

我が家の場合、本格的な庭仕事のスタートは4月下旬。

温暖地とくらべて1ヶ月は遅れていることになるでしょうか。

関連記事
夏菊が大きく育たない!生育不良の原因と対策は?【2013年 栽培記録】

1回目の摘芯/6月中旬

菊、1回目の摘芯
植え付け後、急に気温が上昇して30℃近くになりました。

無事に成長できるか心配しましたが、なんとか根付いてくれました。

草丈は15cmくらいに伸びています。

摘芯をする時期が分からないので調べてみましたが、適期かどうか、いまひとつ判断できません。

そうこうしているうちに1ヶ月経過。

6月中旬。さすがにそろそろ摘芯したほうがいいかなと恐る恐る先端を少し切ってみました。

でも、はじめての作業は緊張します。

なぜか、失敗したら花が咲かなくなるのでは?と思ってしまうのです。

ツバキやドウダンツツジなど庭木の剪定は何回もしているのでバッサリと枝を切れるようになりました。

菊の摘芯も慣れれば気楽にできるようになるでしょう。

2回目の摘芯/7月中旬

1回目に摘芯した個所
※赤丸は1回目に摘芯した個所。

3週間が経って脇から伸びた枝が10cmほどになりました。

お盆のころに咲くスプレー菊なので摘芯するのはこれで最後。

草丈が高くなったら倒れないように支柱を立てたほうがよいかもしれません。

咲き始め/8月下旬

スプレー菊のツボミ
※2014年8月13日
お盆のときはツボミの状態。お墓参りに間に合いませんでした。

秋彼岸まで咲いててくれると嬉しいのですが…。

【過去の開花時期】
・2011年5月苗を購入、8月中旬開花
・2012年、9月中旬開花
・2013年、9月下旬開花

去年(2013年)と違って草丈80cmまで成長。ツボミもちゃんとついています。

見頃を迎える/10月上旬

黄色のスプレー菊
いくらなんでも8月開花するはずの菊が10月というのは遅すぎる!

という気がしないわけではありません。

とはいえ、秋彼岸のときに咲いてくれたので良しとすべきなのでしょう。

キクのツボミ20170813
【追記】摘芯時期と開花の遅れについて

あとから気がついたのですが…。

「さいごの摘芯は開花の2ヶ月前」ということは5月に植え付けた8月咲きスプレー菊の摘芯は1回だけ。

2回目の摘芯をしたから開花が遅くなったのではないでしょうか?

◆2017年の8月咲きスプレー菊
・6月に1回目の摘芯
・7月に2回目の摘芯
・8月下旬に咲き始める

ただ、高温障害が開花遅れの原因のこともあるそうです。

「〇月咲き菊」と表示されていても、そのとおりの時期に咲かせるのは案外むずかしいのかもしれません。

※夏秋菊の開花が遅れる高温障害について書いています
 ↓ ↓ ↓
スプレーマム(スプレー菊)の特徴と育て方【8月咲きスプレーマム栽培記録】

※夏菊と秋菊の違い、開花要因について書いています
 ↓ ↓ ↓
夏菊・お盆咲き菊の特徴と育て方【栽培記録】

さいごに

4月の冬至芽

自己流で育てるようになってから5年以上経ちました。

冬至芽を植え付けたあと、あまり手をかけなくても花が咲いてくれるのは嬉しいですね。

ただ、育て方をみると必ず摘芯という作業がでてくるので気になっていました。

・摘芯とはどんな作業なのか?
・摘芯するとどうなるのか?
ということを調べて書いておくことにしました。

【2014年、はじめて摘芯をした結果】
・草丈が低くならなかった
 ⇒最初は低めでしたが開花時には摘芯しなかった株と同じくらいの高さになっていました。

・たくさん花が咲かなかった
 ⇒ツボミの数が特に増えたようにみえませんでした。

摘芯した後、しばらくの間、急激な暑さで放置状態。

先端の芽を切らないときと変わりがないようにみえました。

切り方がいけなかったのでしょうか?

ただ、作業自体は何度もやっているうちに慣れてきました。

摘芯後、伸びてきた脇芽を挿し芽して育てる方法もあるそうですね。

今まで、冬至芽を株分けして植え付け、そのまま育てて花を咲かせていました。

どうして、そんな手間のかかることをしなくてはいけないでしょうか?

という疑問については別の記事に書きました。
↓ ↓ ↓
菊の花後の手入れと冬至芽の育て方【挿し芽で株を更新】

キク
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