ヘンルーダ(ルー)の特徴と育て方【栽培記録】

ヘンルーダの葉

ヘンルーダ(ルー)は、虫よけ、ネコよけ、コンパニオンプランツなどさまざまな効果が期待できる植物です。

特徴と育て方、栽培記録をまとめました。

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ヘンルーダの特徴

こぼれ種から発芽したネコよらず(ヘンルーダ)

ヘンルーダは、ヨーロッパ南部原産、ミカン科の常緑多年草。

草丈:50~80cm
開花期:6~7月
別名:コモンルー、ルー

ネコよけ、虫よけ効果が期待

ヨーロッパで虫よけ効果のあるハーブとして古くから親しまれてきました。

葉には、蚊やハエが嫌うシネオールという香り成分が含まれています。

独特の強い香りをネコが嫌うといわれることから「ネコよらず」とも呼ばれます。

コンパニオンプランツになる

野菜やバラ科植物の近くに植えると害虫を寄せ付けない効果が期待できます。

アゲハチョウの食草

幼虫はレモン、ミカン、ユズ、キンカンなどミカン科の植物の葉を食べます。

ヘンルーダもミカン科のためアゲハ(ナミアゲハ)が卵を産み付けるためにやってきます。

【アゲハチョウの生態】
・卵を産むのは1年に4回(春先、6月、8月上旬、10月上旬)
・10月の場合は越冬して春先に羽化
・卵からチョウになるまでの期間は2ヶ月程度
・サナギからチョウになるまでの期間は10日~2週間
・サナギになるときは好みの場所を探すため移動することがある

ヘンルーダの育て方

ヘンルーダの葉

日当たりと水はけの良い場所で育てます。

地植えの場合、寒さに強いので屋外で冬越しできます。

鉢植えの場合は霜に当たらないように軒下に置くか室内で管理します。

植え付け

適期は3~5月と10月。

地植えの場合、30~50cmほど間隔をあけて植え付けます。

鉢植えなら1鉢に1株、65cmのプランターなら2ポットが目安。

水やり

地植えでは特に必要ありません。

鉢植えの場合、土の表面が乾いたら与えます。

肥料

やせ地でも育つので肥料はそれほど必要ありません。

地植えの場合は、植え付ける時に少量の緩効性肥料を土に混ぜておく程度でよいでしょう。

鉢植えの場合は、春と秋に、2週間に1回を目安に液肥を与えます。

切り戻し

葉が密生すると蒸れて枯れてしまうことがあります。

梅雨前に混みあっている部分の枝を切り落として風通しをよくしておきます。

葉や茎の切り口から出る汁に触れると、かぶれることがあるため手袋をして作業したほうがよいでしょう。

増やし方

タネまき、株分け、挿し芽で増やすことができます。

株分けは、4月に掘り上げ、株を2~3に分けてから植え付けます。

こぼれダネでも良く増えます。

ヘンルーダの栽培記録

※東北地方北部で栽培
ヘンルーダの苗

2016年秋、ネコよけ効果を期待して苗を購入。

鉢植えにして冬の間は雪に埋もれないように囲いをして屋外で管理。

ネコが入り込む場所を見極めて、その場所に鉢植えを置くか、それとも地植えにするか。

来年春に決めるつもり。

ネコよけとアゲハチョウ/1年目

2017年春、日当たりの良い場所に地植えしました。

6月下旬には草丈60cmほどに成長。

ヘンルーダの葉に卵
7月下旬、花が咲き始めました。
この頃からアゲハチョウがやってくるようになりました。
葉の上に卵を発見。

卵が孵化
7月28日。卵が孵化。

チョウの幼虫
8月10日。卵が孵化してから2週間。姿がみえないと思ったら色が変わっていました。

卵からかえったばかりのころは黒っぽい色をしています。

これは、鳥などから見つからないように鳥の糞のような模様になっているのだとか。

緑色になったのは脱皮したからというわけです。

アゲハチョウの幼虫
8月25日。脱皮したばかりなのか黒っぽい皮(?)がお尻の部分についた幼虫。

このままサナギになるのかと思ったら、いなくなってしまいました。

ネコよらず(ヘンルーダ)の花後
咲き終わった花をそのままにしていたらタネができました。

ヘンルーダの種
タネはゴマよりも少し小さいくらい。

ネコよけ効果は実感できず。アゲハの幼虫観察の1年間でした。

成長ゆっくり/2年目

ヘンルーダ
2018年春。芽吹きが遅く大きくなりません。6月24日現在の草丈15~20cm。

昨年、冬が来る前に根元近くまでバッサリ切ったのがマズかったのでしょうか?

ハーブとして育てられるくらいだから基本的に丈夫なはず。

とはいえ、はじめて育てる植物なのでちょっと心配です。

ヘンルーダ
株元が混み合ってきましたが枯れたら困るので放っておきました。

ヘンルーダのツボミ
ツボミがついているのを確認。ここまでくれば枯れる心配はなさそうです。

こぼれダネで増える/3年目以降

こぼれ種から発芽したヘンルーダ
2019年6月19日。
親株の近くで、こぼれダネから発芽しているのを見つけました。

ある程度、大きくなったところで別の場所に植え付け。

株分けしなくても、こぼれダネから育った株が増えていきます。

アゲハチョウのサナギ
2020年8月18日。
午後、幼虫が家の外壁(地面から約15cmの高さ)にくっついていました。

夕方にみると形が少し変化しています。

翌日の早朝にはサナギになっていました。

緑色だったのが写真のように灰色っぽく変わっています。

昨日、幼虫を見つけていなかったらアゲハチョウのサナギだとは分からなかったでしょう。

家の外壁から庭植えのヘンルーダまでの距離は5mほど。

思ったより離れた場所に移動するものなんですね。

外壁にいたアゲハチョウの幼虫
8月19日の昼。もう1匹の幼虫が壁にくっついているのを発見。

今朝、サナギになった1匹がいるところから2mほど離れた場所です。

ラベンダーの茎にいたアゲハチョウの幼虫
別の株をチェックしてみると隣に植えてあるラベンダーの茎にくっいているのも見つけました。

ラベンダーの茎でサナギになったアゲハチョウの幼虫
夕方にはサナギになっていました。こちらはキレイな緑色です。

今まで、サナギになるために移動した幼虫をみることはありませんでした。

2020年は当たり年なのかもしれません。

アゲハチョウのサナギ
ビールケースにくっついていたサナギ。
サナギの色はくっついている場所の色と関係あるのかと思っていましたが違うようです。

サナギの抜け殻
8月29日早朝。サナギになってから10日目。殻だけが残っていました。

もう1匹も翌日には殻だけになっていました。

ヘンルーダの芽吹き
2024年春。
冬の間に葉が落ちてしまった株。枯れるかと思ったら新芽がでてきました。

ヘンルーダの葉が茂る
3週間後には旺盛に葉が茂っています。

ヘンルーダの株とアゲハチョウの幼虫
9月上旬。アゲハチョウの幼虫が大小8匹ほど。

ヘンルーダを育ててみた感想

こぼれ種から発芽したネコよらず

夏場は直射日光が当たり、冬は雪に埋もれてしまう場所でも枯れることはありません。

植えっぱなしにできるので手間が掛からないのが魅力。

丈夫で育てやすい植物です。

ネコよけ効果について

そもそも、野良ネコが庭を荒らして困るのでネコよけ効果を期待して育て始めました。

数年間育ててみましたが、株の近くで寝そべるネコがいたりトイレに使われたこともあります。

我が家の場合、効果は実感できませんでした。

ちなみに、ネコが嫌うという独特の強い香りを感じるようになったのは8月に入ってからです。

春から初夏にかけては特に香りを感じることはありませんでした。

虫よけ効果について

夏場は、庭に出ると蚊にさされることが多かったです。

それが減ったような気がするので蚊を寄せ付けない効果はあったのかもしれません。

アゲハチョウについて

これはまったくの予想外。

たった1株に花が咲いただけでやってくるとは思いませんでした。

幼虫が大きくなっていくのを見るのはなかなか興味深い。

アゲハチョウの幼虫
10匹近くもいると旺盛に茂っていた葉が梅雨時にはほとんど食べつくされてしまうほど。

アゲハに食べられたヘンルーダ
上半分の葉がありません。

アゲハに食べられたヘンルーダ
数日後、下半分の葉もわずか。
それでもサナギになってしまえば再び新しい葉が伸びて枯れることはありません。

ルーの種とアゲハの幼虫
秋に、再び、卵が産み付けられて幼虫が5~6匹いることもありますが葉が食べつくされる心配はなさそうです。

アゲハについては「来るものは拒まず」で放っておくつもり。

さいごに

ヘンルーダの特徴、育て方、栽培記録をまとめました。

以前は、野良ネコたちが花壇に入り込むことはなかったのですが。

ここ数年、庭のあちこちにフンをされるようになりました。

ネコも代替わりしたのかもしれませんね。

最近の若いネコには困ったものだとグチをいいたくなります。

オーストラリアではネコが嫌がる「猫寄らず草」して有名だと販売サイトでは紹介されていました。

庭に寄りつかないことを期待したのですが効果がなくて残念です。

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