ボケ(木瓜)は早春から春にかけて梅に似た花を咲かせる庭木です。
今回は、ボケの特徴と種類、剪定時期・方法など育て方のポイントを紹介します。
ボケ(木瓜)の特徴と種類
ボケ(木瓜)は中国原産のバラ科の落葉低木です。
日本に渡来したのは平安時代といわれ、古くから庭木や生け花として親しまれてきました。
漢字で「木瓜」と書きますが名前の由来には諸説あります。
よく知られているのは、ウリ(瓜)のような実をつける木ということで「木瓜(もけ)」から転じて「ボケ」になったという説です。
別名、ホウシュンカ(放春花)、カラボケ(唐木瓜)とも呼ばれます。
樹高:1~3m
開花期:2~4月
花色:白、赤、ピンク、オレンジ
・花後に香りのよい果実をつける
・果実はジャムや果実酒に使われる
・冬になると落葉する
・寒さにも暑さにも強い
ボケは花後に黄緑色の果実をつけ、熟すと黄色になります。
大きさは5cmほどでカリンの実に似ています。
果肉は硬く酸味と渋味が強いので生食には向きません。
果実酒やジャムにするのが一般的です。
昔から疲労回復や利尿効果のある生薬として使われていたそうです。
実を乾燥させたものは「木瓜実(モッカジツ)」と呼ばれ、漢方薬にもなっています。
種類
ボケの仲間には、日本原産のクサボケ、中国原産のカラボケ・チョウセンボケ・マボケなどがあります。
現在、出回っているボケは、これらを利用して改良された園芸品種で、その数は200種類以上といわれています。
1株に赤絞り、白、赤といった様々な色の花を咲かせます。
江戸時代に作られた品種で現在でも大変人気があります。
庭木、鉢植え、盆栽に使われます。
緋紅色の中輪単色花で早咲きの品種です。
庭木、鉢植えに使われます。
一重咲きの大輪品種、早咲き性です。
花色は、白色地に紅色の大小絞り、伊達絞り、吹掛け絞り、白色、紅色無地の咲き分けなどがあります。
大輪の一重咲き、早咲き性です。
ピンクの地色に紅色や白の絞りと咲き分けます。
花の少ない冬に真紅の花を咲かせます。
春に咲くボケと区別するために寒木瓜(カンボケ)と呼ばれます。
ボケ(木瓜)の育て方
日当たりと水はけのよい場所で育てましょう。
鉢植えは1年を通して戸外の日当たりの良い場所に置きます。
ただし、夏場は乾燥を避けるため半日陰に移動させます。
水やり
地植えでは、水やりの必要はありません。
鉢植えは表土が乾いたらたっぷりと与えます。
乾燥しすぎると葉が枯れたりツボミが落ちたりするので気を付けましょう。
肥料
地植えの場合は2月に寒肥として緩効性肥料を与えます。
鉢植えの場合は開花後にお礼肥として緩効性肥料を与えます。
病害虫
害虫では、アブラムシやカイガラムシが発生することがあります。
病気では、赤星病や根頭がん腫病が発生することがあります。
根頭がん腫病は、春に植え替えをすると発生しやすくなるので注意してください。
植え付け・植え替え
適期は9月下旬から11月下旬です。
鉢植えは2~3年に1回を目安に植え替えます。
増やし方
挿し木や種まきで増やします。
挿し木は9月上旬から10月下旬に、その年に伸びた枝を使います。
種まきは、秋に熟した果実から取り出した種を使います。
果肉を水で洗って落とし小粒の赤玉土にすぐにまきます。
薄く土をかけて乾かさないように管理すれば、春に発芽します。
ボケ(木瓜)の剪定時期・方法
適期は、花後の4月下旬から5月下旬と、落葉期の12月です。
花後の剪定
花がらつみと一緒に行います。
長く伸びた枝を1cm程度に短く切り詰めて、新しい芽を出させます。
落葉期の剪定
ツボミがついている枝は、ツボミから10cm程度の長さになるように切ります。
ツボミがついていない枝は、葉芽が2~3芽残るように切ります。
込み合っている枝や勢いの強い枝があれば切り除きます。
ボケ(木瓜)の模様【木瓜紋・木瓜鉢】
ボケの花の模様は日用品など様々なところに使われているようです。
平安時代から親しまれてきた植物ならではですね。
木瓜鉢(モッコウバチ)
ボケの花びらや家紋をモチーフにしたものが、盆栽鉢や和食器に使われています。
これらは木瓜鉢と呼ばれているそうです。
木瓜紋(もっこうもん)
家紋の「木瓜紋」は「木瓜」「丸に木瓜」「五つ木瓜」など多くの種類があり日本の五大紋のひとつです。
ただし、「木瓜=ボケの花」ではないといわれています。
卵の入った鳥の巣を上から見た形、瓜の断面など諸説あるのだとか。
実際のところ「木瓜」が何なのかはわかっていません。
さいごに
今回は、ボケの特徴と種類、剪定時期・方法など育て方のポイントをまとめました。
同じバラ科の花木である梅・桃・桜に比べると知っている人は少ないというか…。
むしろ、どんな植物?という人もいるかもしれませんね。
ちなみに、学校にボケの木があったので名前も花も子供の頃から知っていました。
そんな昔のことを今でも覚えているのは、ひとえにインパクトのある名前のせいでしょう。
「ポケ」というと違う意味を連想してしまいます。
ただ、枝にトゲがあることも、良い香りの果実がなることも知りませんでした。
鉢植えで育てて実を収穫できたら楽しそうです。
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