
アルストロメリアはユリのような花姿と花びらの斑点模様が特徴の植物です。
特徴と育て方、四季咲きアルストロメリアの栽培記録をまとめました。
アルストロメリアの特徴

アルストロメリアは、南アメリカのチリやペルーが原産地、ユリズイセン科の球根植物です。
和名:ユリズイセン(百合水仙)
別名:ユメユリソウ(夢百合草)、インカのユリ
原産地では100種ほどが自生しています。
種類によって高地から低地、乾燥地から湿地と生育環境はさまざま。
環境が合えば放っておいても花を咲かせ、どんどん増えていきます。
一季咲きと四季咲きがあり、品種によって性質は違います。
一般には、暑さ寒さにやや弱いものが多いようです。
【生育サイクル】
◆一季咲き:5~6月に咲く。夏と冬は休眠。
◆四季咲き:5~11月咲き続ける。冬は休眠。
※休眠中は地上部が枯れたり、生育が止まったり遅くなったりします。
草丈:30~100cm
花色:ピンク、白、黄、オレンジ、赤など

1本の茎に複数の花をつけるスプレー咲きという咲き方をします。

葉はつけ根でねじれていて裏面が表を向くことが多いです。
アルストロメリアの基本の育て方

水はけと日当たりのよい場所が適しています。
地植えする場合は、根が深くはれるように40~50cm耕しておきましょう。
球根を植える深さは10cmくらい。植える間隔は20cmくらいです。
鉢植えの場合は、根茎が長いので直径15~18cmくらいの鉢を使います。
球根の上に3cmほど土がかかる深さに植え付けましょう。
病害虫の発生はほとんどありません。
水やり
地植えの場合は、よほど乾燥しない限り必要はありません。
鉢植えの場合は、土の表面が乾いたらたっぷりと与えます。
肥料
4~5月と10~11月に月に1回、緩効性化成肥料を与えます。
花後の手入れ

※赤い丸は咲き終わって散る寸前
※青い丸は散った後
・花後は茎を根元から切ってもいいのか
・それとも自然に葉が枯れるまでそのままにしておいた方が良いのか
私は、毎年、どっちだったかな?と思いながら作業していました。
枯れるまではそのままにしておいてもよいのかもしれません。
しかし、花が咲き終わる頃は株元からたくさんの細い茎が生えてきて混みあった状態になっています。
いちいち、株元で切るのは面倒くさい。
茎は引っ張ると面白いように簡単に抜けてしまうため花茎を抜き取ってしまうことが多いです。
改めて、花後の手入れについて調べてみました。
・葉がついている茎はそのまま残しておく
・茎は抜き取る
どちらのやり方もあるようなので両方書いておきます。
家庭で楽しむだけなら、あまり気にする必要はなさそうです。
花がらは摘み取る・葉はそのまま
咲き終わった花がらはこまめに摘み取ります。
枯れた花をそのままつけておくと、種ができ球根が弱ってしまいます。
葉は光合成を促進させて栄養を蓄えるために必要です。
自然に葉が枯れるまでそのままにしておきましょう。
茎葉が枯れてきたら、株元から切り取るか抜き取ります。
花茎は抜き取る

咲き終わった花茎は引っ張るとスポッと簡単に抜けます。
混みあっている場合、細い茎は抜き取って太い芽を伸ばすとよいでしょう。
アルストロメリアの植え替え・株分け

株が混みあってきたら株分けも兼ねて植え替えをします。
適期は、9~10月と3~5月。
鉢植えの場合は、1年に1回が目安。
地植えの場合は、3~4年に1回が目安。
4年以上経つと球根が塊になって切り分けるのに手間取ります。
個人的には、2~3年おきに植え替えたほうが楽に作業ができると思います。

根茎と呼ばれる地下茎で増えていきます。
長く根が張っているので傷つけないようにやや大きくまわりの土ごと掘り上げるのがポイント。
掘り上げた球根は2~3芽を1株として地下茎を切り分けます。

球根を乾かさないように、すぐに植え付けるようにしましょう。
四季咲きアルストロメリアの栽培記録
※栽培しているところ:東北地方

5月上旬になると葉が伸びてきます。

初夏にはツボミがつきます。

花が咲き始めます。

花びらは一気にバラバラと散ります。

放っておくとどんどん新しい茎が伸びてきて混みあってきます。

日光不足で成長できない細い茎は抜いています。

ひととおり花が咲き終わり茎を間引いた後。
スイセンの名札が見えます。
植えっぱなしにしているため、スイセンの球根の間から芽を出しているのが分かります。
育ててみた感想

誰が植えたのか分かりませんが昔から庭にありました。
私が手入れするようになったのは2007年ころ。
品種は分かりませんが、耐寒性は強いです。
冬期は雪に埋もれてしまいますが、防寒対策をしなくても問題なく冬越しできています。
真夏に直射日光が当たる場所でも元気なところをみると暑さにも強いです。
春に芽を出す頃の生長スピードはゆっくりですが、夏になるとすごい勢いで増えます。
初夏から咲き始め、花の数は少なくなりますが11月中旬まで咲き続けます。
お盆の時期にも咲いてくれるのでお墓参りの仏花としても重宝しています。
丈夫で育てやすく病害虫の心配もありません。
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球根増えすぎ防止策

放置していると、どんどん増えて広がっていくので繁殖力が強い植物だと思います。
隣の植物が生えている間から芽を出すことも多いです。
定期的に掘り上げて株分けするのが、一番の増えすぎ防止策かもしれません。
さいごに

アルストロメリアの特徴、育て方、栽培してみた感想について書きました。
品種や育て方について調べたところ、一般的なアルストロメリアの性質と違うのが不思議でした。
一季咲きと四季咲きがあるんですね。
球根は意外と地中深くまで伸びているのでスコップで掘り上げる作業は慣れていないと手間取ります。
初めて掘ったときは途中で切れてしまって大変でした。
ちなみに、カタカナの植物名の中には、よく間違えてしまうものもあります。
「アルストロメリア」と「アロストロメリア」
どっちだったかな?
人に尋ねられたときには覚えやすい「インカのユリ」と言うこともありました。
現在は、名前を言い間違えないよう地植えしている場所にネームタグを挿しています。

