アリウムは長い花茎の上にボールのような丸い形の花を咲かせる姿が特徴的な植物です。
今回は、アリウムの特徴と品種、花後の手入れ方法など育て方のポイントを紹介します。
アリウムの特徴と品種
アリウムは、ユーラシア・北アフリカ・北アメリカが原産地。
ネギ科ネギ属の秋植え球根です。
(ユリ科やアリウム属に分類されることもあります)
アリウムの仲間には、ネギ・タマネギ・ニラなど食用として栽培されている種類と観賞用として栽培されている種類があります。
草丈:20~120cm
開花期:4~6月
花色:紫、白、ピンク、黄など
秋に球根を植え付けると翌年の春に芽が出ます。
初夏に花を咲かせた後、夏には枯れて休眠します。
鉢植えでも地植えでも育てることができ、花もちがよいので切り花やフラワーアレンジメントにも利用されます。
主な品種
アリウムを代表する大型品種。別名「ハナネギ」とも呼ばれます。
1mほど伸びた茎の先に15㎝前後の大きなボール状の花をつけます。
草丈:50~90cm
大きさ5cmほどの赤紫色の花を咲かせます。
草丈が20~30㎝の小型種。
花径は2㎝程度でニラに似た黄色い花を咲かせます。
植えっぱなしでもよく育ちます。
アリウムの育て方
日当たりのよい場所で育てましょう。
どの品種も寒さには強いので防寒対策をしなくても冬越しできます。
植え付け
酸性土壌を嫌う植物です。
地植えする場合は、植え付けの2週間前くらいに苦土石灰を混ぜてよく耕しておきます。
鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うと簡単です。
適期は9~10月です。
地植えの場合は、球根2つ分くらいの深さに植え付けます。
隣の球根との間隔は球根2つ分を目安にします。
鉢植えの場合は、5cmくらいの深さです。
大きな球根の場合は6号鉢に1球、小さな球根の場合は6号鉢に3球が目安です。
植え付けた鉢は屋外の日陰に置きます。
水やり
植え付けから芽が出るまでの間、地植えも鉢植えも土が乾燥しないようこまめに水やりをします。
芽が出た後は、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをしましょう。
極端な乾燥を嫌うので生育期の3月以降は特に乾き具合を確認します。
土を乾かすと花が咲く頃には葉が先から半分くらい枯れることがあります。
花後、葉が枯れて休眠期に入ったら水を与える必要はありません。
肥料
元肥として球根を植え付ける時に緩効性化成肥料を土に混ぜ込んでおきます。
追肥は、生育が活発になる3月下旬に1回、効性化成肥料を与えます。
病害虫
春にアブラムシが発生することがあります。
アブラムシによりウイルス病が媒介されるので注意してください。
見つけ次第駆除します。
アリウムの花後の手入れ
花がら摘み
花が枯れ始めたら花茎の根元から切り取ります。
そのままにしておくと種ができることがあり、球根に十分な栄養がいかなくなってしまいます。
葉は光合成をして球根におくる栄養を作る働きをしています。
自然に枯れるまでそのまま残しておきます。
大型種は掘り上げる
大型種の球根は高温多湿の環境では腐りやすいものが多いです。
葉が3分の2ほど枯れたら球根を掘り上げましょう。
掘り上げた球根は土を落としてから風通しのよい日陰で保管して秋にまた植え付けます。
小型種は植えっぱなしOK
小型種は植えっぱなしで2~3年は花が咲きます。
地上部が枯れたら葉を株元から切って土の中に球根だけがある状態にしておきます。
ただ、連作障害を起こす恐れがあるので2~3年経ったら球根を掘り上げ、新しい土に改めて植え付けたほうがよいです。
さいごに
今回は、アリウムの特徴と品種、花後の手入れ方法など育て方ポイントについて調べたことをまとめました。
アリウムは冬の防寒対策が必要ないくらい寒さに強いです。
寒冷地では育てやすそうですね。
ただ、「アリウム 丹頂」は温暖地でも植えっぱなしOKと書かれているサイトもありました。
温暖地で育てる場合は、品種選びが失敗しないポイントかもしれません。
はじめてギガンチウムの花を見たときネギに似ていると思ったら実際にネギの仲間だったんですね。
以前から、ニラの白い花はとても可愛らしいので好きだったのですが、花を観賞する品種があるとは思ってもいませんでした。
小型種のモーリーの黄色い花はニラの花とソックリです。
バラのコンパニオンプランツ
アリウムはネギ科なので程度に差はあるものの全体に「ネギ臭さ」があるそうです。
そのネギ臭さのおかげなのかどうかは分かりませんが、アリウムはバラのコンパニオンプランツになってくれるとか。
バラの害虫、コガネムシの幼虫を遠ざけて根を守ってくれる効果が期待できるようです。