サギソウ(鷺草)は初夏になると白鷺に似た花を咲かせる山野草です。
植え替え時期・方法など育て方のポイントを紹介します。
サギソウの特徴
サギソウは、ラン科の耐寒性多年草です。
日本の固有種で湿地に生育しています。
草丈は20~40cm。
球根の状態で冬を越し、5月頃から芽を出して7月~8月に白鷺が翼を広げたような純白の花を咲かせます。
花後はしばらく葉が残りますが、次第に枯れていきます。
根の先には1株で3~5球の新しい球根を作り、翌年までその状態で冬を越します。
自生のものは一輪咲きのものが多く、花茎も長く伸びます。
サギソウは夏の季語にあげられるほど昔から身近な植物です。
兵庫県姫路市では、かつて自生地があり、姫路城が白鷺城の別名をもつことから市の花に指定されています。
東京都世田谷区では奥沢城にまつわる伝説から区の花に指定されています。
このように日本各地の湿地で見ることのできた普通のランで本州の41都府県に自生していました。
しかし、現在では3県で絶滅し7県で現状不明になっています。
乱獲や生育環境の破壊により環境省のレッドリストでは準絶滅危惧種に指定されています。
ホームセンターや園芸店で販売されているのは園芸品種です。
サギソウの育て方
生育期は、風通しが良く、よく日が当たる場所で育てます。
開花中は午前中の日光に当てるぐらいにすると花持ちがよいです。
夏は西日に当てないように注意しましょう。
花が咲き終わったら、花の付け根から摘み取ります。
茎の全ての花が終わったら葉を残すように花茎を切り取ります。
晩秋になって葉が枯れたら、発泡スチロールの箱に鉢ごと入れて雨が当らない軒下に置いて休眠させます。
水やり
湿地帯に生息している植物なので水を好みます。
水切れさせないよう水ゴケが白く乾き始める前に毎日たっぷり水をやります。
夕方に水ゴケが白く乾燥していれば、また与えます。
冬場は休眠していますが1週間に1回ぐらい水を与えて乾かさないように気をつけましょう。
肥料
生育期(6~7月)と花後(9月~10月)に2000倍程度の薄い液肥を月に2回程度与えます。
開花中は与える必要はありません。
与えすぎると花は大きく立派になりますが可憐さがなくなります。
また、病気にもかかりやすくなるので肥料は薄めに与えるようにしましょう。
サギソウの植え替え時期と方法
植え替えは毎年行います。
サギソウは、親株からランナーを伸ばして、その先端に翌年の球根をつくります。
寒い時期は球根だけになって冬越しします。
そこで、1月から3月の休眠中に鉢から球根を取り出して植え替えします。
まず、鉢から球根を掘り出します。
順調に育っていれば球根は2倍くらいに増えています。
用土は、赤玉土(小粒)、鹿沼土(小粒)、細かに刻んだ水ゴケを混ぜて使用します。
水ゴケだけでもかまいません。
浅い鉢に数個植えつけたら、たっぷりと水を与えます。
表面に水ゴケを置いて乾燥を防ぐとよいでしょう。
さいごに
昔から実家で育てているのをみているので、サギソウは馴染み深い植物です。
可憐な花姿が魅力ですよね。
白い羽のような花弁を広げて咲く姿を見れば「サギソウ」と呼ばれるのは一目瞭然なんですが…。
娘は「鷺」という鳥を知りません。
「なんでサギソウという名前なの?」と聞かれて、思わず絶句。
鳥の話から説明しなくてはなりませんでした。