サンシュユ(山茱萸)は早春に咲く黄色い花と秋の赤い実が楽しめる樹木です。
桜が開花する前に咲くことから春の訪れも感じさせてくれます。
サンシュユの特徴と育て方について調べたことをまとめました。
サンシュユの特徴
サンシュユは、ミズキ科の落葉性高木。
開花期:3~4月
花色:黄色
原産地は中国・朝鮮半島。
もともと、日本には薬用として江戸時代中期に渡来しました。
その後、花と実を鑑賞するために庭木として植えられるようになったそうです。
花は葉が開く前に咲きます。
小さな花が集まってドーム状になるので満開になると木全体が黄色く見える姿が印象的。
その様子から植物学者の牧野富太郎博士はハルコガネバナ(春黄金花)と命名しました。
秋になると、つややかな赤い実をつけることから「アキサンゴ」という別名もあります。
この実は食べることができます。
実際に熟した実を食べたことがありますが、甘酸っぱくて美味しかったです。
滋養強壮などの薬効があるということで、漢方あるいは果実酒としても利用されているそうです。
サンシュユの日常の手入れ
日当たりと水はけが良ければ場所を選ばずに育ちます。
特に土質は選びません。普通の庭土で大丈夫です。
植え付けや移植は12~3月の落葉期に行います。
水やり
地植えにしたものは特に水を与える必要はありません。
鉢植えの場合は土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。
肥料
2~3月に寒肥として緩効性肥料を与えます。
肥料を与え過ぎると枝葉に養分が行き渡り花芽が少なくなる事があるので注意しましょう。
病害虫
病気では「うどんこ病」、害虫では「アオイラガ」が発生することがあります。
剪定で樹高を低くする
放っておくと5m以上に大きくなることもあります。
大きくしたくない場合は、剪定をして高さを抑えるとよいでしょう。
適期は、落葉期の1~3月と花後の5月。
落葉期の剪定
長く伸びすぎた枝を短く切り戻して樹形を整えます。
芽のある節のすぐ上を切りましょう。
落葉期には花芽がふくらんだ状態ではっきりと分かるようになっています。
花芽がついた枝を間違って切ってしまう心配がなく作業しやすいです。
花後の剪定
枝が茂りすぎると木の内側まで日光が届かず生育、花付きが悪くなります。
風通しも悪くなるため、病気が発生しやくなったり台風などの強風で枝が折れることもあります。
間引くように枝を切り取っていくのがポイント。
混みあった枝、内側に伸びている枝、枯れ枝を切り取ります。
7~8月には翌年の花芽が作られるので、それまでに終わらせるようにしましょう。
サンシュユをタネから育てる【栽培記録】
冬に実を拾いました。春まで暖房のない寒い場所で保存。
2025年4月上旬。実が干からびていたため、一晩、水に浸けてからタネをとりだしました。
庭の片隅、午前中だけ日が当たる場所に蒔きました。
雪解け後の庭を掃除していたらサンシュユと同じ形をしたタネが落ちていることに気づきました。
近所にサンシュユがあるので鳥が実を食べタネを落としていったのかもしれません。
それにしても、なぜか今冬は数が多い。
ざっと数えただけでも100個以上ありそうです。
雪の上にあるタネは十分に水分を含んでいるので水に浸ける必要はありません。
試しに30個を明るい日陰の場所に蒔きました。
調べてみると、サンシュユは発芽しにくいタイプの樹木だそうです。
タネまきから2年目以降に発芽することもあるとか。
何のタネだか忘れてしまうと困るので名前と日にちを書いたラベルを立てておきました。
さいごに
サンシュユの特徴と育て方について書きました。
地元では、レンギョウよりも先に咲く黄色の花。
見かけると春がやってきたなぁと実感させられます。
実家のサンシュユの木は樹高が3mほどもあったでしょうか。
結構大きく育ち、枝を広げるので剪定は欠かせません。
親が高齢となり枝を切ることができなくなったため伐採しました。
地植えをする場合は広めのスペースを確保できるか事前に確認する必要がありますね。
今回、偶然にも実を拾ったのでタネまきしてみました。
発芽してくれたら鉢植えにして楽しみたいと思っています。
「サンシュユ」という名前は中国名の「山茱萸」を音読みにしたものだそうです。
「茱萸」はグミのこと。
お菓子のグミかと思ったら、グミ科グミ属の樹木のことでした。