春に華やかな大輪の花を咲かせるシャクヤク。
「立てば芍薬、座れば牡丹」というように昔から女性の美しさを表現する際に使われてきた植物です。
この記事では、シャクヤクの特徴、ボタンとの違い・見分け方、育て方、栽培記録を紹介します。
シャクヤクの特徴
シャクヤクはボタン科の耐寒性多年草。中国・モンゴル・シベリアが原産地です。
もともとは、薬用植物として渡来しました。
江戸初期には観賞用として改良され、明治以降は日本独自の品種に加えて、欧米から輸入された品種が加わりました。
品種改良が盛んに行われたため、花色や咲き方はバラエティに富んでいます。
花色は、赤・紫・ピンク・オレンジ・白・黄色など。
斑点や縞模様が入るものもあります。
咲き方は、一重咲き・八重咲き・バラ咲き・手まり咲き・翁咲きなどがあります。
花言葉:恥じらい、はにかみ、謙遜
シャクヤクとボタンの違い・見分け方
シャクヤクはボタンと同属の植物で花の形もよく似ていますが違うところは意外と多いです。
【木と草】
根本的な違いは、シャクヤクは宿根草でボタンは木(落葉低木)ということでしょう。
シャクヤクは、冬になると地上部が枯れて根の状態で休眠します。
ボタンは、冬に葉は落ちますが地上部に枝が残ります。
【葉の形】
葉の形だけで見分けることもできます。
シャクヤクの葉は、ツヤがあり葉の先にギザギザがありません。
ボタンの葉は、ツヤがなく葉の先が3つに分かれてギザギザになっています。
【ツボミの形】
シャクヤクのツボミは球形をしています。
ボタンのツボミは先が細長く少し尖っています。
【散り方】
シャクヤクは、花の頭ごと落ちます。
ボタンは、一度にパラパラと花びらが落ちていき、あっけなく散ります。
【香りの有無】
シャクヤクは、バラのような甘くさわやかな香りがします。
ボタンは、それほど香りはしません。
シャクヤクの育て方
苗から育てるのが一般的。植え付けの適期は9~10月です。
日当たりの良い場所で育てます。
半日陰でも育ちますが日当たりの悪い場所では花つきが悪くなります。
暑さが苦手で夏場に弱ることもあります。
寒さには非常に強いので防寒対策は特に必要ありません。
水やりは土の表面が乾いたら、たっぷりと与えます。
咲き終わった花は早めに摘み取りましょう。
そのままにしておくと種を作るのに栄養がとられてしまいます。
秋に葉が弱り始めてから地上部を刈り取ります。
肥料は、春と秋に緩効性肥料を株元に軽く施します。
肥料が多いと株はよく育ちますが、花が咲きにくくなるので与えすぎないようにします。
シャクヤクの植え替え・株分け
植え替えは毎年行なう必要はありません。
株が混みあってきたり土が硬くなって水がしみ込まなくなってきたら行ないましょう。
株分け、植え替えの適期は、9月下旬から10月いっぱいです。
7~8本以上の株立ちになっている場合は、株分けしましょう。
あまり、細かく分けると生育が鈍くなってしまったり花が咲かなくなります。
3~5本程度の場合は株分けはしない方がよいです。
株分けの目安は、植え付け後3~4年くらい。
根をできるだけ切らないように掘り上げます。
翌年伸びる赤い芽が見えるので、芽を3芽以上つけて1株になるように分けます。
芽に2~3cm土が被るくらいの深さ、株が地表から見えないように植え付けましょう。
シャクヤクの栽培記録
シャクヤクを掘りあげました。
私が庭の手入れを担当する前から植えてあったものです。
地植えして6年以上経っているのではないでしょうか。
ここ数年、葉ばかり茂って花が咲きません。
すぐそばのドクダミを駆除するためにも掘りあげる必要があったのですが、面倒で放ってあったのです。
根が張って掘るのは大変だろうと思っていたら、案外簡単に終了。
根は太かったのですが腐っていた部分がありました。
株分けして植えられそうな状態のものは1個だけ。
鉢に植えましたが、来年の花は期待できそうにありません。
まずは、枯らさないことを第一に大きく育てていければと思います。
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