ハナショウブはアジサイと共に梅雨の時期に咲く代表的な植物ですね。
どんよりとした曇り空にも美しく映える紫色の花は古くからこの季節の風物詩として愛されてきました。
今回はハナショウブの特徴と品種、植え替えと株分けの時期など育て方のポイントを紹介します。
ハナショウブの特徴と品種
ハナショウブはアヤメ科の多年草です。
花の色は、青、青紫、紫、白、ピンク、黄、複色。
開花期は、5~7月ごろです。
野生のノハナショウブをもとに、数多くの品種が育成され、現在2000以上あるといわれています。
ちなみに、端午の節句で利用されるショウブはサトイモ科。
ハナショウブとは違う植物です。
【ハナショウブの品種】
品種の育成地によって、江戸系・伊勢系・肥後系に分けることができます。
主に花菖蒲園に植えて群生の美しさを観賞することを目的に作られた品種の系統です。
多くの形態があり、色・形・大きさのバリエーションが豊富なのが特徴。
花びらが横に広がって開く品種が多いです。
花びらが3枚の三英咲き、6枚の六英咲き、八重咲き、爪咲き、奇数咲きなどがあります。
開花時期により早咲き、中生咲き、遅咲きなどにも分けられ色々なタイプがあります。
病気や直射日光に強く草丈が高いものが多いのも特徴です。
江戸系の品種を肥後(熊本県)で鉢植え用に改良されたものです。
大きな花を咲かせることから豪華で見ごたえがあります。
6枚の花びらを持つ「六英咲き」が多く花びらが大きく丸いのが特徴です。
草丈は低く鉢植えで楽しむのに向いています。
伊勢系
伊勢(三重県)で作り出された品種の系統です。
花びらが垂れた三英咲きが多く、花びらの縁がちりめん状になっていたり波打っていたりするのが特徴です。
鉢植え用に改良されています。
草丈は3系統の中で最も低く、葉と花茎の高さはほぼ同じです。
ハナショウブの育て方
なるべく日当たりの良いところに植えます。
少なくとも半日以上、日の当たるところにしましょう。
市販の園芸用土でも育成できます。
土質は特に選びません。よく耕して庭土をそのまま使っても大丈夫です。
弱酸性を好みます。
土づくりのつもりで石灰を加えるとアルカリ性に近づけることになりかねないので気をつけましょう。
苗の植え付け時期は早春と秋です。
湿気を好みますが日当たりが悪いと花が咲かなくなるので、庭では木陰などを避けて植えつけます。
20~30cmくらいの間隔で、やや浅植えにします。
ハナショウブはカキツバタほどではありませんが湿気を好みます。
水やりさえ頻繁にできるのなら、地植えでも鉢植えでも育てられます。
真夏は毎日朝晩、たっぷりと水を与えます。
根腐れしにくいので真夏は鉢皿に水をためた腰水にした方が育てやすいでしょう。
肥料は花後の6月と2月ごろに完熟堆肥を少し控えめに与えます。
ハナショウブの植え替え・株分け時期
植えっぱなしにしておくと、混み合って花つきが悪くなります。
鉢植えの場合は毎年、地植えでも3年に1回は、植え替え・株分けを行ないましょう。
時期は、花後の6月が適しています。
根茎を適当に切り分け、葉も半分くらい切ってから植えつけます。
さいごに
ハナショウブといえば菖蒲園で群生している様子を観賞するというイメージが強いですね。
各地に名所がありますが、それぞれ群生の見せ方に工夫がこらされているのだそうです。
例えば、自然に群生しているかのようにみせるため、あえて品種を散らして植えるのだとか。
一方、品種ごとに列を作って配置している菖蒲園もあるそうです。
各地の花菖蒲園を巡って違いを楽しむことができたら素敵ですね。
そんなハナショウブは自宅で育てるのは無理だと思っている人は意外と多いかもしれません。
でも、肥後系など品種を選べば自宅で栽培して楽しむことが出来るそうです。
お気に入りの品種を見つけて育ててみるのもいいかもしれませんね。
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