ジンチョウゲ(沈丁花)は春に花を咲かせる樹木です。
離れた場所からでも漂ってくる香りで春を感じるという人も多いのではないでしょうか。
今回は、ジンチョウゲの特徴と品種、剪定時期と方法、植え替えのコツなど育て方のポイント、庭植えの栽培記録を紹介します。
ジンチョウゲの特徴と品種
ジンチョウゲは、中国南部が原産地、ジンチョウゲ科の常緑低木です。
室町時代には日本に伝わり栽培されていたといわれています。
早春に花を咲かせることから春の季語として使われています。
庭木や生け垣として利用されることも多く馴染みの深い花木といえますね。
沈丁花という名前は、香木の沈香のような良い匂いがして丁子(ちょうじ、クローブ)のような花をつける木、という意味でつけられました。
春のジンチョウゲ、夏のクチナシ、秋のキンモクセイ。
これら3つの香りの強い花をつける樹木を三大香木といいます。
花言葉:栄光、不死、不滅、歓楽、永遠
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樹高:約1~1.5m
開花期:3~4月
花色:白(外側は紅紫)
小さな花が1ヶ所にまとまって咲き、満開になるとポンポンのような花姿になります。
花のように見える白い部分は「がく」が変化したもので、花ではありません。
品種
◆ウスイロジンチョウゲ
日本でもっとも多くみかける花びらの内側が白色で外側が赤色の品種。
◆シロバナジンチョウゲ
内側・外側ともに白色の花を咲かせる品種。
葉に白色、あるいは黄色の斑が入る品種。
ジンチョウゲの育て方
庭植えの場合は、水はけが良く午後の強い日照が当たらない半日陰が適しています。
ジンチョウゲは移植に弱いため植え付ける場所は慎重に選んでください。
植え付ける前に腐葉土を多めに混ぜて肥沃な土にしておきます。
鉢植えは市販の花木用培養土を使って植え付け、東向きのベランダなどに置くとよいでしょう。
水やり
庭植えの場合、特に必要ありません。
鉢植えの場合は土の表面が乾いたらたっぷりと与えます。過湿は病気の原因になるので注意しましょう。
肥料
花後にお礼肥としてチッソ分を控えた化成肥料を株元にまきます。
病害虫
アブラムシがつく程度です。
その他には特に気になる病害虫はありません。
増やし方
挿し木で増やすことができます。
花後すぐに花がらを摘み取り新しい枝を6~9cmに切って湿らした赤玉土に挿します。
根がでるまで乾かさないように気をつけましょう。
根がでたらひとつずつ鉢に植え替えて育てます。
地植えにする場合は翌年に行います。
ジンチョウゲの剪定時期と方法
自然と樹形は整ってくるので、剪定はほとんど必要ありません。
風通しを良くするために混み合った枝を根元から切り取る程度の弱い剪定にします。
剪定時期は花の直後から6月中が適期です。
7月に次の年の花芽が出来るので、それ以降は剪定をしないように気をつけます。
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ジンチョウゲの植え替え
ジンチョウゲの根は水を吸収する細根が出にくく、やわらかくて傷つきやすくなっています。
傷がつくと回復しづらく枯れてしまうこともあります。
なので庭植えの場合は移植は避ける必要があります。
ただし、鉢植えの場合はそのまま育てていると根詰まりを起こしてしまいます。
・水やりした時に水がしみこみにくい
・鉢底から根が出ている
このような時は植え替えが必要です。
植え替えの適期は6~7月です。
根を傷めないよう鉢から取り出したら根の周りについた土を崩さないようにして植え付けるのがポイント。
一回り大きな鉢に新しい用土で植え付けましょう。
ジンチョウゲの栽培記録
何年前に植えられたものか分かりませんが庭の隅っこにジンチョウゲがあります。
放置状態でも毎年、良い香りのする花を咲かせ、病害虫に悩まされたことがありません。
大雪の時は枝が折れるのではないかと心配になりますが枝折れすることもほとんどありません。
意外と丈夫ですね(雪囲いはしています)。
耐寒性があり寒冷地では庭植えできないといわれていますが青森県では問題なく冬越しできています。
ただ、斜めに傾いて、ひどく窮屈そう。
ちょっと可哀想な感じですね。
移植できればよいのですが大きくなっているので掘り起こすのは無理。
挿し木で増やして別の場所に植え付けてみたいと考えています。