フヨウ(芙蓉)は、美しい大輪の花を咲かせる夏を代表する樹木です。
日本では古くから親しまれ栽培されてきました。
今回は、フヨウの特徴と剪定時期など育て方のポイント、フヨウとムクゲの違いについて紹介します。
フヨウ(芙蓉)の特徴
フヨウは中国中部が原産地、アオイ科の落葉低木です。
日本へは古い時代に渡来したと考えられています。
四国や九州など温暖な地域に自生しているものは野生化したものといわれています。
別名、モクフヨウ(木芙蓉)とも呼ばれます。
樹高:2~3m
開花期:8~10月
花色:白、ピンク
10cm以上の大輪の花を咲かせますが、ひとつの花の寿命は短く、朝開いて夕方にはしぼむ「一日花」です。
しかし、毎日次から次へと花を咲かせるので長い期間花を楽しむことができます。
花後にできる果実は2~2.5cmほどの大きさで中にたくさんの種が入っています。
冬になると葉は落ちてしまいます。
種類
八重咲きの品種。
朝に白い花が咲き時間が経つにつれて桃色から紅色へと花色が変化します。
色の移り変わりから「酔って赤くなった芙蓉」⇒「酔芙蓉」と名づけられました。
夏から秋にかけて直径15cmほどの大輪の花を咲かせます。
大きな花を枝にたくさんつけます。
フヨウ(芙蓉)の育て方
寒さにはあまり強くありませんが関東地方以西の暖地であれは地植えで栽培できます。
植え付け適期は3月下旬から5月です。
日当たりのよい場所に植えつけましょう。
水はけがよければ特に土質を選びません。
水やり
特に必要ありません。
夏場に極端に乾燥していれば水やりします。
肥料
元肥として、植え付け時に堆肥や腐葉土を土にすき込んでおきます。
追肥は落葉期の12月~1月の間に、寒肥として固形油かすなどの有機肥料を株元に施します。
また、7月~9月に緩効性化成肥料を少量与えると、花つきが良くなります。
病害虫
病気はほとんどありません。
ハマキムシ、カミキリムシなどの害虫が発生しやすいので注意が必要です。
増やし方
挿し木で増やすことが出来ます。
3~4月、5~6月、9~10月が適期です。
・15cmほどの長さに枝を切り取る
・先端の葉4~6枚を残す
・赤玉土小粒、または挿し木用土に挿す
・たっぷりと水やりをする
・風が当たらない日陰で乾かさないように管理する
約1か月で発根します。
フヨウ(芙蓉)の剪定時期と方法
フヨウは、春に伸びた枝に花芽をつけるタイプの樹木です。
剪定は、冬の落葉期に行いましょう。
暖かい地方では、冬でも枝が枯れることはありません。
細くて弱い枝、重なり合って混みあった枝を付け根から切り取ります。
株の内側まで日光が当たるようにすると、株全体に花を咲かせることができます。
全体の樹形を小さく整えたい場合は、多少、バッサリと枝を切っても大丈夫です。
寒い地方では冬に地上部が枯れるので地面から15~20cmほどの高さで枝を切り取ります。
切った後は、株元に落ち葉やワラをかぶせて寒さを防ぎます。
春になると新しい芽が出てきます。
フヨウとムクゲの違い
近縁種のムクゲは同じアオイ科の樹木、花の咲く時期が同じで似ています。
見分けるには、樹形、葉や花の大きさ、めしべの形を確認するとよいでしょう。
【樹形】
フヨウは細かく枝分かれして上だけでなく横にも広がった樹形になります。
ムクゲは枝分かれした枝がまっすぐ上に伸びるので縦長の樹形になります。
【葉と花の大きさ】
葉も花もフヨウの方がムクゲより大きいです。
【めしべの形】
一般的には、めしべの先が上向きに曲がっているのがフヨウ、まっすぐなものがムクゲ。
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さいごに
今回は、フヨウの特徴と剪定時期など育て方のポイントについて調べたことをまとめました。
調べてみてはじめて栽培適地が関東地方以西だということを知りました。
ムクゲかな?フヨウかな?
と夏になると近所で咲いている花を見て悩んでいたのですが…。
寒冷地では庭木として植えられている可能性は低そうですから、ほとんどすべてがムクゲと思ってよいのでしょう。
白からピンクに移り変わるという「酔芙蓉」の花、機会があれば見てみたいものです。
※フヨウと同じ一日花を次々と咲かせる低木です。
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