ガマズミは初夏に白い花を咲かせ秋には赤い実や紅葉が楽しめる落葉低木です。
ガマズミの特徴と種類、剪定時期など育て方のポイント、果実の効能を紹介します。
ガマズミの特徴と種類
ガマズミはスイカズラ科の落葉低木で、原産地は日本です。
(※レンプクソウ科とされる場合もあります)
樹高:約3m
開花期:5月下旬~6月中旬
花色:白色
北海道から九州まで広い範囲に分布しており山地や丘陵地の明るい林や草原などで見ることができます。
園芸店などでは属名のビバーナム(ビブルナム)で販売されることも多いようです。
英名:Japanese bush cranberry(ジャパニーズ ブッシュ クランベリー)
ガマズミは和名になりますが由来には諸説があります。
・実に酸味があることから「噛み酢実」が転訛したという説
・鎌の柄に用いられたことから「ガマ(鎌)」と酸っぱい実をつけるので「ズミ(酸実)」から「ガマズミ」になったという説
・山の神の贈り物としてマタギから「カミツミ(神つ実)」と呼ばれたことが語源とする説
果実は漬物を赤く染めるための着色料や果実酒などに利用されます。
枝は柔らかくて折れにくい特徴をもっています。
昔は薪など束ねる時に使われたり、道具の柄、輪かんじきの材料に利用されてきました。
このようにガマズミは生活に密着した樹木であることからたくさんの別名をもっています。
東北地方では「ゾウミ・ジュミ」、関東地方では「ヨツズミ、ヨツドメ」、中部地方では「ヨーゾメ、カメガラ」など全国各地で様々な呼び名があります。
種類
◆ビバーナム ティヌス(トキワガマズミ)
名前にトキワ(常盤)とつくように常緑性のガマズミです。
ツボミはピンクで咲くと次第に白になります。秋になると青い実をつけます。
◆ミヤマガマズミ
ガマズミよりも全体的に大きめの品種。樹高は4m程度。
◆黄実のガマズミ
黄色の実がなる品種です。樹高20~30cm程度。
盆栽などに利用されます。
ガマズミの育て方
日本に自生しているだけあって丈夫で育てやすいです。
土質も特に選びません。
植えつけてしまえば、あまり手がかからない庭木です。
半日陰でも育ちますが日当たりが良い場所に植えると花と実が多くつきます。
挿し木や種まきで増やすことができます。
水やり
地植えの場合、特に必要ありません。
鉢植えの場合は、土が乾いたらたっぷりと与えましょう。
肥料
特に必要ありません。
ガマズミの剪定時期と方法
ガマズミは剪定を行わなくても自然に樹形が整います。
剪定は込み合った枝を切る程度で控えめにしましょう。
夏の終わりには翌年の花芽ができます。
夏以降に剪定すると花芽まで切ってしまうので気を付けましょう。
大きく育てたくない場合は、花後なるべく早い時期(5月から6月)に好みの高さで剪定します。
ガマズミの果実の効能
果実は秋になると赤くなりますが酸味が強いです。
晩秋の霜が降りる頃になると白い粉をふいて甘くなるので生食することができます。
とはいえ、種が大きくて果肉が薄いので食べられる部分は多くありません。
漬物を赤く染めるための着色料や果実酒などに利用されます。
栄養素としてはビタミンCやポリフェノール、特にアントシアニンが豊富に含まれているのが特徴です。
生活習慣病の予防に役立つといわれガマズミの実を使ったジュースや果実酒、ジャムなどの商品があります。
神ツ実⇒ガマズミのことです。
神ツ実ジャム (100g)【みらくる本舗】【RCP】
さいごに
ガマズミは日本に自生している樹木なので育てやすいのが魅力です。
鉢植えや盆栽でも育てられるのでベランダに置くのもいいですね。
春の花、秋の実と紅葉と季節の移り変わりを感じることができますよ。
小学校の観察会で近くの山へ行ったときにガマズミの実がたくさんなっているのを見ました。
皆で食べたのが懐かしいですね♪