フクシアは貴婦人のイヤリングと呼ばれるように下向きに咲く花姿が魅力的な植物です。
夏越しを成功させるポイントと挿し木で増やす方法など育て方について紹介します。
フクシアの特徴と種類・品種
フクシアはアカバナ科の常緑低木、原産地は中南米です。
別名、ホクシャ・ツリウキソウ(釣浮草)とも呼ばれます。
英名は「Lady’s eardrops」。
貴婦人のイヤリングの名前通り、ぶら下がって花を咲かせます。
背丈:20~200cm
開花期:4~7月
自生地は高冷地や湿った薄暗い森、峡谷など涼しくて湿り気のある環境です。
そのため日本の高温多湿の夏は苦手。夏越しがむずかしい植物といわれています。
種類・品種
フクシアは原種がたくさんあるのに加え、園芸品種も非常に多い植物。
現在ではおよそ3000品種以上があるといわれています。
そのため、花の大きさや樹形などで分類されます。
【花の大きさ別】
・極小輪(1cm以下)
・小輪(1~3cm)
・中輪(3~6cm)
・大輪(6cm以上)
【樹形別】
・立性タイプ:スタンダード仕立てに向いています。
・下垂性タイプ:吊り鉢仕立て向いています。
・中間タイプ:立性タイプと下垂性タイプの中間形。
代表的な品種には次のようなものがあります。
◆エンジェルス・イヤリング
サントリーフラワーズと西宮市が改良に成功した品種。
夏の暑さに強いのが特徴で関東以西の温暖地域では冬越し可能です。
◆マリンカ
花弁と萼弁、どちらも濃い紅色です。
枝が横へ柔らかく伸びるのでハンギング仕立てに向いています。
比較的に夏越しさせやすいといわれています。
◆ヘンケル
シックな葉と赤い花が特徴です。
比較的、暑さに強いタイプ。
フクシアの育て方
春にホームセンターや園芸店で出回るポット苗を購入して植え付けます。
水はけがよい土を好みます。市販の観葉植物用培養土を使うと便利です。
植え付ける時は、根鉢を崩さないことがポイントです。
春と秋は戸外で日当たりと風通しの良い場所に置きます。
花が咲き終わったら摘み取ります。
ほうっておいても花は自然に落ちますが花後に果実ができるものがあるので、こまめに摘みましょう。
冬は室内に取り込んで管理します。
水やり
鉢土の表面が乾いたら、たっぷりと与えます。
肥料
液体肥料を2週間に1回与えるか、緩効性の固形肥料を1~2ヶ月に1回与えます。
フクシアの夏越しポイントは?
フクシアにとって夏場は直射日光が強すぎます。
また、高温多湿が苦手なので夏は涼しい場所に移動させます。
【切り戻し】
梅雨明け前、本格的な夏の暑さがやってくるまでに切り戻しを行います。
目安は草丈の半分程度。枝を切り戻して風通しを良くしておきます。
バッサリと大胆に切っても大丈夫です。
切り戻しをすることで風通しが良くなり蒸れを防ぐことができます。
【吊るしておく】
夏の間、半日陰の場所に吊るしておけば風通しがよく涼しい状態で管理できます。
木立タイプも同じように吊るしておくとよいでしょう。
【挿し木でバックアップ】
夏が越せずに枯れてしまった場合に備えましょう。
切り戻した枝を使って挿し木して、バックアップをとっておくと安心です。
フクシアを挿し木で増やす方法
フクシアの増やし方は挿し木が一般的です。
適期は4~6月と10月~11月中旬、室内では冬期も可能です。
新芽を5~7cm切って赤玉土やバーミキュライトなどに挿して日陰で管理します。
3週間から1ヶ月程度で発根します。
さいごに
イヤリングのようにぶら下がって咲く花姿が魅力的なフクシア。
夏越しが難しいのが残念ですが、春と秋はとても育てやすく花もよく咲くそうですよ。
開花時期にはポット苗が手頃な値段で出回ります。
販売されているのを見かけたらチャレンジしてみてはいかがでしょうか。