シクラメンは多年草の球根植物なので花が咲き終わった後、夏越しができれば来年も花を咲かせることができます。
暑さが苦手なシクラメンを夏越しさせるための花後の管理として、休眠法・非休眠法という2つの方法を紹介します。
シクラメンの花後の管理、夏越し方法
シクラメンの夏越しには、休眠法と非休眠法の2つの方法があります。
休眠法
花が咲き終わったら徐々に、水やりの回数を減らしていきます。
温度が上がってくると葉が黄色になって枯れ、やがて球根だけになります。
このような状態が休眠状態です。
葉が枯れたら、水や肥料はいりません。
夏の間は風通しのよい涼しい日陰で雨に当たらない場所に置きましょう。
9月になると、休眠から覚めて新芽が伸び始めるので植え替えをします。
鉢に元肥を入れた新しい土を入れ、球根が土の中に埋まらないよう浅めに植えます。
植え替えが終わったら、たっぷりと水を与えましょう。
葉が出始めたら日の当たる場所に移して徐々に水やりを多くし、肥料も与えるようにします。
花が咲くのは1~2月です。非休眠法に比べると1ヶ月ほど遅れます。
非休眠法
水やりと肥料を与え続け、生育させながら夏を越す方法です。
シクラメンは暑さが苦手なので、5~8月は軒下などの涼しくて風通しのよい場所で管理します。
雨と直射日光が当たらない場所であることも大切です。
水やりは控え目にします。土が乾いたらさらに1日待ってから水やりするくらいがよいでしょう。
肥料は、水やりを兼ねて月に1回、液肥1000~2000倍液を与えます。
夏になると古い葉は黄色くなって枯れるので取り除きましょう。
9月に入ったら、一回り大きい鉢に植え替えをします。
株を鉢から抜いて、古土を半分ほど落とし、新しい用土に植えます。
植え付ける時は球根が地上部に半分出るように出るように浅めにします。
植替え後は、通常の育て方で管理します。
※シクラメンは暑さに弱く 途中で葉が枯れてしまうことがあります。
そんなときは、休眠法に切り替えて夏越ししてもかまいません。
シクラメンの植え替え時期と方法
適期は、9月上旬~中旬。
生育が始まる前後に植え替えをすることで、秋以降にもまた元気に花を咲かせてくれるようになります。
植え替えをする前に、まず、球根の状態をチェックしましょう。
球根を触ってみて、硬くてしっかりとしていれば、無事に夏越しできています。
もし、ぶよぶよになっていたら球根は腐っているので使えません。
残念ですが諦めて処分してください。
休眠法でも非休眠法でも植え替え時期は同じですが方法は少し違います。
休眠法
葉はついておらず球根だけの状態です。
球根を鉢から抜き取ったら土を完全に取り除きましょう。
球根は土の中に埋まらないよう浅めに植えます(球根の3分の1は土の上に出た状態)。
植え替えが終わったら球根に水がかからないようにして、たっぷりと水を与えましょう。
葉が出始めたら日の当たる場所に移して徐々に水やりを多くし、肥料も与えるようにします。
花が咲くのは1~2月です。非休眠法に比べると1ヶ月ほど遅れます。
非休眠法
夏の間もずっと根が動いている状態で葉がついています。
鉢から抜いたら、根鉢をあまりくずさず、表土を軽く落とします。
鉢底石を入れたあとに用土を入れ、球根を置きます。
さらに用土を足しながら、球根の上部が出るくらいに浅く植え付けます。
植え付け後は、球根や葉に直接かからないようにして、たっぷりと水やりします。
根を傷めないよう、ていねいに植え替えをするのがポイントです。
植え付け直後の2~3日は、半日陰で管理します。
その後、日当たりが良く、雨の当たらない場所に移動させましょう。
肥料は、9月の植えかえ後から6月中旬まで、液肥を7~10日に1回のペースで定期的に与えます。
シクラメンは花芽を沢山作り続ける植物なので肥料は欠かせません。
肥料が不足すると花も小さくなり、咲き終わりも早くなります。
用土と鉢
シクラメン専用の土を使うと便利で簡単です。
また、市販の鉢花・草花用培養土を使っても大丈夫です。
自分で配合するときは、赤玉土の小粒と腐葉土を7:3くらいの割合で混ぜたものを使用します。
この場合は、元肥として緩効性化成肥料を加えましょう。
植木鉢は、現在植えてある鉢よりも一回り大きな鉢を使用します。
・植え替え時期は、9月上旬~中旬
・休眠法は用土を完全に取り除き、根を半分くらい切ってから植え付け
・非休眠法は根鉢をあまりくずさず、表土を軽く落とす程度で植え付け
・球根は浅く植える
・用土は新しいものを使う
・水やりをするときは球根に水がかからないようにする
シクラメンの栽培記録【2008年】
2005年ころからプレゼントでもらったり家族が買ってきたりして毎年シクラメンの花を楽しんでいます。
ただ、翌年の夏に枯らしてしまう状態が続きました。
その頃は手間がかからないという理由から休眠法で夏越しさせようとしていました。
・球根が干からびたまま新芽がでない
・水やりをしたら腐ってしまった
という状況です。
非休眠法で成功
2008年、非休眠法を試してみました。
・花後、通常通りに水やり。緩効性固形肥料を与える。
・屋内で管理(明るいけれども直射日光は当たらない場所)。
・春から夏にかけて2~3枚くらい葉が黄色くなって枯れる。
・その後は、枯れる葉もなく変化なし。
・7月中旬、球根の中心部から新しい葉が出る。
初めて夏越しに成功しました。
徒長
茎が徒長して葉が鉢からはみ出し、下に垂れ下がってしまいました。
夏越し後も室内に置いていたため日光不足になったことが原因です。
徒長した株を回復させるには最低でも4~5時間ぐらいの日照時間がいるとか。
屋外の日に当たる場所へ移動させたら2週間ほどで新しい元気な葉がたくさん出てきました。
その後、徒長した葉はすべて黄色になって枯れてしまいました。
植え替えをする
9月中旬、植え替えをしました。
用土は赤玉土と腐葉土を混ぜたものを使用。
水やりをして半日陰に置き、3日くらい経ったら再び日の当たる場所へ移動。
9月下旬、ツボミが出来ていました。
花が咲き始める
約1ヶ月後の10月24日に開花。
咲き終わりは翌年(2009年)5月19日。約半年間、咲き続けてくれました。
2009年9月:2度目の夏越しに成功。植え替え。12月に次々と開花。
2010年11月:3度目の夏越し後、新しく伸びた葉が茶色になって枯れる。
2010年12月:枯れる。原因不明(球根は硬くてしっかりしている)