シュウメイギク(秋明菊)は秋の風情を感じさせる花姿と光沢のある濃緑の葉が魅力の植物です。
花が咲いていない時期には雑草を防ぐグラウンドカバーの役割も果たしてくれます。
今回はシュウメイギクの特徴、植え替え時期・方法など育て方のポイント、栽培記録を紹介します。
シュウメイギクの特徴
シュウメイギクはキンポウゲ科アネモネ属の多年草です。
古い時代に中国から渡来し日本の寺院などで育てられていたものが野生化したといわれています。
草丈:30~150cm
花色:ピンク、白
開花期:8月下旬~11月
秋になると長い茎を伸ばして一重や八重の花を咲かせます。
花びらに見える部分は実は萼(がく)にあたります。
和風のイメージがあり、生け花や茶花、庭の植え込みに利用されます。
欧米ではボーダーガーデンに欠かせない植物です。
名前の由来・別名
・秋に明るい色の花を咲かせる
・花が菊に似ている
というのが名前の由来だそうです。
別名、貴船菊(キブネギク)、とも呼ばれます。
これは京都市の北部にある貴船山で多くの秋明菊が帰化し頻繁に見られたことに由来するのだそうです。
英名は Japanese anemone (ジャパニーズアネモネ)
「日本のアネモネ」という意味で西洋のアネモネと区別するために名づけられたといわれています。
主な品種
一重咲き、八重咲き、春咲きなどがあります。
星娘、桜娘、福娘など「娘」シリーズのように草丈が30cmと低いタイプは鉢植えで楽しむことができます。
シュウメイギクの育て方
日当たりの良い場所を好みます。
ただ、乾燥には弱いので、なるべく湿り気味で西日が強く当たらない場所に植えてください。
半日陰でも育ちます。
苗の植え付け適期は3~4月です。
9~10月にも植え付けられますが、冬までに根が土になじむようにしましょう。
地植えの場合は植え付ける場所に元肥と腐葉土を混ぜ込んでおきます。
ポットから苗を取り出したら根鉢を少しだけほぐして植え付けます。
花が咲き終わったら、花がらをつけ根から切り取り、葉は残しておきます。
冬になると地上部は枯れてしまいます。
地際から枯れた部分を取り除いておきましょう。
春になると再び芽吹きます。
水やり
地植えの場合、半日陰の湿り気のある場所に植えていれば特に与える必要はありません。
鉢植えの場合は用土の表面が乾き始めたらたっぷりと与えます。
根の成長が早いので根詰まりしやすく、根詰まりをすると水持ちが悪くなるので乾燥しやすくなります。
乾燥させないように注意が必要です。
肥料
地植えの場合は春に緩効性化成肥料を与えます。
鉢植えの場合は、3~5月と10~11月に緩効性化成肥料を与えるか、液体肥料を10日に1回与えます。
増やし方
繁殖力旺盛で、根から不定芽を伸ばして増えます。
シュウメイギクの植え替え時期・方法
地植えにしている場合は環境が合えば放っておいても株が毎年増えていき花数も多くなります。
植え付けてから3~5年ぐらいは植え替えの必要はありません。
株が込み合ってきて花がつきにくくなったら株分けをして植え直しましょう。
鉢植えの場合は、1~2年に1回植え替えをします。
適期は植え付け時期と同じ春と秋です。
シュウメイギクの栽培記録
2007年10月下旬、売れ残りのシュウメイギクの苗が半額だったので買ってしまいました。
葉っぱだけの小さな苗。来年のお楽しみと思えば、お買得かもしれません。
花の色はピンクで、品種は「プリンツ ハインリッヒ」。
シュウメイギクは半日陰でもOK、寒さにも強いと趣味の園芸テキストで紹介されていました。
それを読んで欲しいなぁと気になっていた植物です。
草丈は40~70cm。コスモスと同じくらいの草丈でしょうか。
江戸時代の園芸書にもシュウメイギクが載っているそうですから、ずいぶんと昔から栽培されてきたんですね。
シュウメイギクというと、なんとなくお寺に咲いている花というイメージがありました。
ところが、海外でも人気の多年草なのだとか。
イギリスではボーダー花壇に植えられているのだそうです。
近所の庭でシュウメイギクが咲いているのを見かけます。
花が少なくなってくる季節に咲いてくれるので庭が明るくなっていいですね。
自分で庭の手入れをするようになってからというもの育ててみたい植物が増えました。
ホームセンターや園芸店に行くと欲しいと思っているものが必ずあって、つい買ってしまいます。
ここ数年で、10種類は増えたでしょうか。
ただ、これ以上、植物を増やしてどうするって反省はしています。
しばらくの間は、これら新入りの植物を枯らさずに増やすことができたらいいなというのが目標です。
【追記】
「プリンツ ハインリッヒ」を秋に地植えして放っておいたのですが1年後(2008年9月)に花が咲いてくれました。
暑さにも寒さにも強く手をかけなくてもよく育ちます。
野生化するくらいなので日本の気候に合った植物なのでしょうね。
ただ、どんどん増え広がっていくので他の植物が生えている場所にも芽を出すようになりました。
地植えする場合はあらかじめ広い場所を確保しておくべきでしょう。