ギボウシ(ホスタ)はシェードガーデンに欠かせないカラーリーフが美しい植物。
大型種から小型種まであり、青系、黄色系、斑入り葉など葉色の種類も豊富です。
ギボウシの定番品種と育て方、花後の管理について調べたことをまとめました。
ギボウシの特徴
ギボウシはキジカクシ科の宿根草です。
※ユリ科、リュウゼツラン科で分類される場合もあります。
日本・中国・朝鮮半島に自生していますが、特に日本に多くの原種が自生しています。
学名はホスタ。ギボウシというのは和名です。
ツボミが橋の欄干に取り付けられている擬宝珠(ぎぼし、ぎぼうしゅ)に似ていることが名前の由来となっています。
別名、ウルイ、コーライ、カエルノオンパッパなどと呼ばれます。
草丈:15~200cm
開花期:7~8月
花色:白、紫
花は、朝に咲くと夜にはしぼんでしまう1日花です。
ツボミがいっせいに咲くわけでなく、下から上へと順番に花を咲かせていきます。
もともと日本に約20種が自生している植物で古くから観賞用として親しまれてきました。
暑さにも寒さにも強く地植えすれば、特別に必要な手入れもなく育てやすい植物です。
地植えの場合、冬場は地上部がなくなる事を計算して植えましょう。
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ギボウシの冬越し方法!地上部の葉が枯れた後、空いたスペースに何を植える?
ギボウシの葉色と大型種・中型種・小型種
園芸品種ができたのは江戸時代中期から後期で古典園芸植物のひとつになっています。
違う種同士で雑種を作りやすく変種や栽培品種も非常に多いです。
ヨーロッパへはシーボルトにより伝えられ、その後はアメリカに渡り多くの品種が作り出されています。
葉色の種類
「青系」「黄色系」「緑」「斑入り」に分けることができます。
一般に葉色は均一な緑色ですが部分的に白色や黄色となっているものがあります。
「斑」とは、この違った色の部分のこと。
斑の色は、淡い緑、淡い黄色、淡いピンクなど植物によってさまざまです。
・一般的な斑入り:白い斑が葉の外側に入る
・中斑(なかふ):葉の真ん中に白い斑が入る
・覆輪(ふくりん):葉の周囲が違う色になっている
植物の種類によっては、白く縁取りされたものを「白覆輪」、黄色い場合は「黄覆輪」とも呼びます。
大型種
葉の大きさが30cm以上のものです。
葉の大きさが40cmを超える超大型の品種。
生育が早いので大株に育つまでにあまり時間がかかりません。
山形県寒河江市でみつかったオオバギボウシの変異種。
葉は大きく波打ち、縁に黄色の斑が入っています。
葉の大きさは30㎝前後。
中型種
葉の大きさが20cm前後のものです。
ブルー系で有名なハルションに斑が入ったタイプ。
葉色が季節によって変化していくのが特徴。
春はあざやかな黄色で夏に向けて青みが濃くなっていきます。
小型種
葉の大きさが10cm前後のものです。
江戸時代からある古典園芸品種。
濃い緑色の葉の縁に白色の班模様が入ります。
ギボウシの育て方
明るい日陰、あるいは半日陰を好みます。
・午前中だけ日が当たる場所
・木もれ日が当たる場所
で育てましょう。
西日が当たって激しく地面が乾燥する場所は避けてください。
葉焼けを起こすことがあります。
地植えする場合は、完熟堆肥やピートモスをすき込んでから植え付けます。
鉢植えにする場合は、市販の培養土を使えば簡単です。
水やり
地植えの場合、特に必要ありません。
鉢植えの場合、土の表面が乾いたら与えましょう。
肥料
肥料は特に必要ありません。
与える場合は春に緩効性肥料を少なめに与えてください。
植え替え
適期は、2~3月と9~10月。
地植えは3~5年に1回、鉢植えは1~2年に1回を目安におこないましょう。
株を掘り上げたら根についた土を半分くらい落とします。
この時に、傷んだ根があれば取り除いておきましょう。
鉢植えの場合、ひとまわり大きな鉢に植え付けます。
ギボウシにつく害虫の種類と対策
基本的にギボウシは害虫の被害にあうことは少ないようです。
ただ、アブラムシ、ナメクジ、アオムシなどが発生することがあります。
予防としてオルトランなどの薬剤を根元に少量ばらまいておくとよいでしょう。
主な害虫
◆アブラムシ
若葉やツボミ、花茎に発生することがあります。
ウイルス病を媒介するので発見した場合は速やかに駆除して下さい。
予防として粒剤の殺虫剤を株元に撒いておくとよいでしょう。
◆ナメクジ
新芽や花を食害します。
株元にナメクジ用忌避剤を散布するなどして早めに駆除しましょう。
◆アオムシ、ヨトウムシ類
新芽だけでなく古い葉も食害し、大きい穴があくこともあります。
◆ネコブセンチュウ
根にコブをつくり養分を吸い取るので株の成長が衰えます。
植え替え時にコブを見つけたら病変のある根を切り捨てて新しい用土で植え替えて下さい。
ギボウシの花後、花茎は切ったほうがよい?
「咲き終わったら花茎は切ったほうがよいのか?」
気になったので調べてみました。
種ができると株は弱る
花後に種ができるとそちらに養分を取られ株が疲れてしまいます。
基本的に種を取るつもりがなければ種を作らせないほうが株は弱りません。
葉を楽しむのがメインの植物なので咲き終わったら花茎の元から切るとよいでしょう。
ただ、ギボウシはとても丈夫な植物です。
咲き終わった花茎をそのまま放置しておいても問題はありません。
ギボウシの花後に種ができた場合【採取から種まきまで】
2020年、花後に茎を切らずに放っておいたところ、種ができているのを見つけました。
咲き終わると早々に茎を切り取ってしまうことが多いので実際に種をみるのは初めてです。
とはいえ、花茎10本ほどで種を付けたのは1本だけ。
自然の状態では種を付けにくい植物なのでしょうか。
ギボウシは株分けすれば簡単に増やせます。
なので、わざわざ、種から育てようとは思っていませんでした。
種から育てると親とは違う葉色になるらしいので試してみるのも面白そうです。
種の採取
10~11月にサヤが茶色くなり先端が開き始めた頃が種を採る適期です。
放っておくと種が落ちてしまいます。
完全に開ききってしまう前に採取しましょう。
低温処理
種を湿らせた川砂やバーミキュライトに混ぜて低温の環境におくと発芽がそろうそうです。
期間は約1ヶ月。冷蔵庫の野菜室に入れておくとよいでしょう。
種まき
適期は2~3月。
赤玉土や鹿沼土を入れたポットへ種をまき、水をかけます。
土が乾かないように管理すると1ヶ月ほどで芽が出ます。
さいごに
今回は、ギボウシの特徴、定番品種、基本の育て方についてまとめました。
暑さにも寒さにも強く地植えすれば、特別に必要な手入れも必要ありません。
初心者にもおすすめの植物だと思います。
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